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スイス核シェルター施設を視察

今回の視察は、日本国内における一定の水準を満たした核シェルターの普及を最大の目的とする、“日本核シェルター協会”の活動の一環で、スイス国内の核シェルター施設、研究施設、核シェルター建設関連企業を視察出来るとても充実した内容となった。

【視察先】

パウルシェラー研究所(PSI)、スイス政府市民防衛庁管轄の行政機関用&住民用核シェルター、民間防衛博物館、ゾンネベルク核シェルター、シューピッツ研究所、スイス連邦国防省整備局 EMP研究施設、Andair社, etc.

視察ツアー参加者:協会関係10名、その他23名(17社)

【スイスの核シェルター事情】

スイスでは、米国とソ連の緊張が高まった冷戦中に、国が武力攻撃された場合、全国民は保護される権利が示され、1963年に、連邦法で住宅を含むすべての建物に核・生物・化学兵器に対応するシェルターの設置を義務づけられた。

冷戦終結後、永世中立国であるスイスは、EU諸国に囲まれ、攻撃を受ける可能性はほとんど考えられなくなり、現在では住宅へのシェルターの設置義務は緩和されたが、依然スイスの全人口以上をカバーする「核シェルター大国」であることに変わりはない。

また、国の予算の関係からシェルターに関連する予算を維持するか、縮小して他分野に振り分けるかの国民的議論となってきたが、2011年3月の東京電力福島第一原発の事故を受け、原発もあるスイスではシェルター必要論が再燃し、設置義務の緩和にとどまったとのこと。

台湾有事に備え、他県に先駆け沖縄の先島5市町村で避難シェルターの整備が計画されているが、日本とスイスでは、環境や条件の違いもあることから、日本に適合した独自の指針を確立していくことの必要性を実感した。